何かになりたい

ネタにするほか浮かばれない

読み切りの少女漫画じゃあるまいし

読み切りの少女漫画じゃあるまいし、付き合って終わりでも結婚して終わりでもない。

付き合ってた人は将来を約束してくれたけど、私が疲れてしまった。私が“与えた”と言い張って、その見返りを求めるのに疲れてしまった。
私の論理に私しか出てこないのも疲れた。
いろんな人に報告して本当に終わったことを実感した。


結婚してからも日常は続くのだから、
次は親友になれる人と一緒になろう。
些細な、だけどふたりにしかわからないことで顔を見合わせて笑おう。
知らないことは一緒に調べよう。
人に心配されない関係性を築こう。
価値観のキャリブレーションもしよう。


私の価値観は例えば茶碗の形をしていて、あなたのは例えば花瓶の形をしていて、せーので見せ合う。
そしたら私は花瓶を見て「どうして敢えてここに取っ手を付けたんですか?」と質問するから、あなたは「手首の可動域が狭いから、ここにあった方が持ちやすいんです」とか、そういう意匠を解説して欲しい。
そして私の茶碗に対して「何故そこに窪みがあるのですか?」と聞いてくれたら、私は喜んで「ここに親指を沿わせてしっかり持って、茶碗を落とさないためです」と答える。
ふたりで「あーなるほど」「そんな工夫があったか!」「洗い方に気をつけます」というやりとりをしたい。
そうやって何を大事にしてどこを工夫して人生を生きているのか、あなたと私の普通がどのくらい同じでどこが違っているのか知りたい。
その違いに対して互いに軽微に気を遣い合うことで、花瓶と茶碗を互いに丁重に扱うことで、ずっと大事にしていこう。
あなたが花瓶を求めるならすっと身を引こう。


今はまだ焦がれるだけのあの人に、いつかこうやって伝えられたらいい。